新型コロナウイルスにBCGワクチンは本当に有効?
テレビをつけても、ネットを開いても、新型コロナウイルスに関するニュースで溢れている。
感染者、及びその地域は恐ろしいスピードで広がり、今週中にも感染者数が100万人に届きそうな勢いだ。
2ヶ月前、中国の武漢で感染が広がりだした頃、ここまで深刻な世界レベルでの危機になると、一体全体、誰が予想できただろうか。
かくいう私も、こんなことになるなんて、全く想像できていなかった。
せいぜいアジア地域の感染流行で、2~3ヶ月もすれば、終息すると思っていた。
それがどうだろう、今 現在も、いつがピークになるかすらわからない。
先が見えないって、怖すぎる。
そんな中、ここ最近になって、チラホラとネットで目にするようになってきたのが、「BCGワクチン」に関する記事。
「BCGワクチン」は、結核予防に使われるワクチン。
子供の頃にやったと思う、あの「ハンコ注射」だ。
針がいっぱい付いていて、恐れおののいた記憶がある。
赤ちゃんの時に打つらしいけど、その記憶はもちろんない。
けれど、小学生になった時、ツベルクリン検査をやって、赤くなる反応が出ず、腕にがっつり打たれた痛い記憶は残っている。
その「BCGワクチン」がここに来て、新型コロナウイルスに有効かもという説が出てきているのだ!
またどうせ、ネットの噂でしょ~とか思っていたけど、ちょっと信憑性がでてきた。
www3.nhk.or.jp
報道によれば、オーストラリアで有効かどうか確認するため、臨床試験を行うそうだ。
国の研究機関が、臨床試験をやるって、かなり真剣にその可能性に注目してるってことよね?
でも、どうして「BCGワクチン」がコロナウィルスに効くのか、その根拠は何なのか、気になったので、素人ながら調べてみました。
BCGワクチンが新型コロナウイルスに有効な根拠
ネットニュースの記事や仮説を見ていくと、まずはその根拠の一つとしては、地域。
BCGの接種率とコロナ感染数の地域を比べてみる。
国別のBCGワクチン接種方針を示す地図
※ A:BCGワクチン接種国 B:BCGワクチンを現在は推奨していない国 C:一度もBCGワクチン接種を推奨していない国
本日時点での感染者地域
たしかに、BとCの地域に感染が拡大しているように見える。
そして、各国・地域における感染状況を見ると、
https://www.anzen.mofa.go.jp/covid19/country_count.html
米国やイタリアがものすごい勢いで中国を抜いて拡大。
それを追うようにしてスペイン、ドイツ、フランス、イラン、英国、スイスが続いている。
爆発的患者急増のオーバーシュートを起こしている国は、ほぼすべてBかCの国々。
ここまで見事に重なると、偶然とは言い難いわ。
でも、なんで「BCGワクチン」が効くのかしら?
BCGワクチンにどのような効果が?
なぜ「BCGワクチン」が注目されているかというと、オフターゲット(結核以外の感染症への)効果が報告されているからだそう。
news.yahoo.co.jp
ざっくり説明すると、BCG投与により、自然免疫が強化され、他の感染症もある程度防げるようになるらしい。
BCG投与により、結核とは関係のない病原体に対しても、実は免疫力が強化されるという面白いデータが最近、オランダのグループから発表されてもいるとのこと。
そしてこの「BCGワクチン」には、種類がある。
BCGワクチンの種類と分類
大きくは2つに分類される。
前期分与株:Tokyo172-1株(日本株)、ロシア株BCG-I株(ロシア株)
後期分与株:デンマーク株 Danish 1331株(デンマーク株)、パスツール株
接種している国を見ると、↓
・前期分与株(ハンコタイプ)
日本(日本株)
イラク(日本株)
タイ(日本株)
台湾(日本株)
ロシア(ロシア株)
旧東ドイツ(ロシア株)
・後期分与株(注射タイプ?)
中国(デンマーク株)
イラン(パスツール株)
旧西ドイツ(デンマーク株)
・両方
韓国(どちらかを選択できる)
WHOはデンマーク型を推奨している。
EU・アメリカは多くの国で強制ではなく、国によってツベルクリン反応による接種らしい。
BCG接種を株で色分けした地図
2003~2007年調べのちょっと古い資料なので、イランと中国が分からないに分類されていたりするけど。。
日本株とロシア株を接種している地域は、比較的感染者、特に、重症化する人数が少ないようだ。
ドイツの感染者拡散図を見ると、そのことが顕著だ。
明らかに旧西ドイツ側で感染者の発生数が多く、ロシア株を接種していた旧東ドイツ側では少ない。
ちなみにベルリンは旧西ドイツ側と同じく、デンマーク株を採用していたそう。
日本株やロシア株は、何が違うのか?
ワクチンの用量あたりの生菌数が多い(力価が高い)からではないかなと思う。
素人なので、専門的なことはわからないけど、上の表を見ると、他の株に比べて日本株の数値はとても高い。
要は濃いワクチンを使っているってことかしら?
なんでも、日本は湿度が高く、結核を撲滅するのが、西洋諸国よりも大変だったので、強いワクチンを使う必要があったみたい。
気候が功を奏すとはね、運が良いとしか言いようがないわ。
先人たちとこの国の風土に感謝です。
「BCGワクチン」接種で、新型コロナウイルス肺炎の重症化リスクを減らすことができるのなら、未知のウイルスとの戦いにも、希望が見えてくる。
臨床研究の成果に大いに期待したい!
とはいえ、例え効果が認められても、感染自体の抑制になるわけではないし、絶対に重症化しない保証もありません。
感染しない、感染させないことが重要です。
一人一人が行動に気をつけ、この危機を乗り越えましょう!